大阪を離れてからもう半年が経った。今日は、大阪で働いていた頃の思い出話を少ししてみたい。
ある出来事をきっかけに、私は大阪市内に引っ越すことになった。会社のオフィスから徒歩15分という絶好のロケーションで、新しい生活が始まった。
大阪といえば、やはり“食い倒れの街”。美味しい食べ物がたくさんあることで有名だ。このチャンスを逃してはいけないと、私は心に決めていた。残業がない日は、だいたい17時15分頃には会社を出られる。そのあとの時間はすべて私の自由。まずは会社の周りで美食探しを楽しむことにした。
会社のすぐ近くにはカレー屋さんが2軒。どちらもチェーン店だが侮(あなど)れない。「CoCo壱番屋」と「上等カレー」だ。CoCo壱番屋では、ベジタリアンカレーにナスをトッピングするのが定番。ベジタリアンの友人とよく一緒に通っていた。甘めのルーが特徴で、シンプルながら飽きない美味しさ。ラッシーとの相性も抜群だ。
一方、上等カレーのほうれん草カレーは私のお気に入り。店の中央に立つシェフが、目の前でカレーを仕上げていく様子が見える。長時間煮込まれたルーには深みがあり、ご飯とのバランスも絶妙で、いつも最後までぴったり同じタイミングで食べ終える。
中華料理のお店もよく行く。まず一軒目は、セントレジスホテルの隣、地下1階にある高級中華「華都飯店」。最初は敷居(しきい)が高く感じられたが、仕事の会食で一度訪れたのをきっかけに、すっかり常連になってしまった。ここでは、いつも一人で行くので、麻婆豆腐を一品だけ注文してじっくり味わう。麻婆豆腐はもともと四川料理だが、その美味しさから中国全土に広まった。四川料理らしい濃厚な味わいで、私の実家の麻婆豆腐とは少し違うが、ご飯との相性は抜群だ。席に着くとすぐにジャスミン茶を出してくれるのも嬉しい。
もう一軒は居酒屋風の大人気中華料理店、蘭亭。台湾料理として宣伝されているが、味はどちらかというと四川料理に近い。お店の外にいても、豆板醤や辣油の香りが漂ってくる。駅に近く、周辺はオフィスビルが多いため、会社員たちの飲み会でいつもにぎわっている。このお店で一番印象に残っているのはカニ料理。片栗粉と甘めの醤油で高温で煮詰められた濃厚な味わいで、日本の繊細な味付けとは対照的。カニの身はやわらかく、ベタベタとした食感がむしろクセになる。
少し歩いて一駅ほどのところには、私が一番好きな中華料理店がある。家の味が恋しくなると、必ずここに足を運ぶ。時間と体力に余裕があるときは、あえて歩いて向かう。そうすることで、食欲もより高まる気がするのだ。店内は落ち着いた雰囲気で、日本人のシェフが本格的な江南料理を作ってくれると言うのも感動。定番は麻婆春雨(やっぱり麻婆が好きだな〜)。私はいつもベジタリアン仕様でお願いしていて、豚肉の代わりに大豆ミートを使ってくれる。味のクオリティはまったく変わらず、美味しさはそのままだ。
もう一品、いつも頼むのは白身魚と豆腐の蒸し物。上に白ねぎと醤油がかかっていて、香ばしい焼きネギの香りとオイスター風味の特製醤油が絶妙にマッチする。中国茶の種類も豊富で、つい長居してしまう。
…と、ここまで書いていたら、なんだかお腹が空いてきた。
大阪で“美食”と言えば、やはり難波を語らずにはいられない。そして、たこ焼き・お好み焼き・焼きそばといった大阪名物も、忘れてはいけない。
その話は、また次回に。
今日はここまで。
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